SHADE EMPIRE「SINTHETIC」

外国のオンラインショップでは結構見かけることの多い、フィンランド期待のキラキラKEYを大フィーチャーし(てい)たメロディック・デスの新人バンドSHADE EMPIREが2004年4月にリリースしたデビューアルバムです。期待して待っていましたが、なかなか日本に入ってこないので痺れを切らしてEND RECORDSのオンライン・ショップから取り寄せました。結果13.00 USDで買えてチョットニンマリ。

で、さっそく中身を聴いてみたのですが、聴いて予想外の変化にびっくり。ストレートで殺傷力のある悲哀メロを、キラキラで大仰なKEYに乗せてストレートに疾走する路線だったデビュー前の音源から、KEYのスタイルが大きく変化していました。メロディのフックはデビュー前の音源と変わらないレベルを維持しつつ、KEYの雰囲気が最近北欧で大流行のインダストリアルでサイバーなシンフォニック・ブラック・メタル系のスタイルに急接近しています。日本人の好きな普遍的で伝統的な大仰オーケストラヒット系のサウンドから乖離したことで若干聞き手側の敷居が上がりましたが、ピコピコしたデジタルKEY路線がどうしてもイヤという人でなければ、わかりやすいメロディラインの助けもあるのでまだまだ余裕で入っていけると思います。バックの演奏もしっかりしてますし。(ていうかこのバンドはKEY以外がメインで、Voもバックですね/笑)この作品に1点難癖をつけるとするならば、海外のどこかのWEBZINEにも書いてありましたが、KEYが前に出すぎでGとかVが少し奥に引っ込み気味なプロダクションがちょいもったいないかな…?とは思いました。しかし、今風の最先端のメロディック・デス・メタルの1つの形としてレベルの高い作品をわかりやすく提示してくれていることは確かだと思います。日本盤が出るのかどうかはわかりませんが、ピコピコ音が嫌いでなければメロデス・ファンにとっては重要な一枚かもしれませんね。